カレンダーに「老人の日」と「敬老の日」の両方が載ってる…同じ日じゃないの? 何が違うんだろう?
9月のカレンダーを見ていると、「敬老の日」とは別に「老人の日」という記念日が載っていて、戸惑った方も多いのではないでしょうか。名前も日付も似ているため、混同してしまうのも無理はありません。
老人の日と敬老の日のいちばんの違いは「根拠となる法律」と「日付」です。老人の日は老人福祉法で定められた9月15日の記念日、敬老の日は祝日法で定められた9月第3月曜日の国民の祝日で、そもそも別物として存在しています。
この記事では、老人の日と敬老の日の違いを一覧で整理したうえで、なぜ日付が9月15日と第3月曜日に分かれたのかという経緯、2026年・2027年の敬老の日がいつなのか、何歳からお祝いするのかまで、はじめて調べる方にもわかりやすく解説します。
老人の日と敬老の日の違いを一覧で解説
老人の日と敬老の日は、根拠となる法律も日付も、祝日かどうかも異なります。まずは2つの違いを表で見比べてみましょう。
| 項目 | 老人の日 | 敬老の日 |
|---|---|---|
| 日付 | 9月15日(固定) | 9月第3月曜日 |
| 根拠となる法律 | 老人福祉法 | 国民の祝日に関する法律(祝日法) |
| 祝日かどうか | 記念日(祝日ではない) | 国民の祝日 |
| 趣旨 | 老人福祉への関心と理解を深める | 長年社会に尽くしてきた高齢者を敬い、長寿を祝う |
| 関連する期間 | 老人週間(9月15日〜21日) | – |
ざっくり言えば、敬老の日は「お休みになる国民の祝日」、老人の日は「祝日ではない記念日」という関係です。日付が近いうえに名前も似ているため同じものと思われがちですが、定めている法律からして別々の存在なのです。
もともとは9月15日が「敬老の日」でした。それが2003年から9月第3月曜日に移り、代わりに9月15日を「老人の日」として残した、という歴史的な経緯があります。この流れを知ると、2つの関係がすっきり理解できます。それぞれの日について、順を追って解説します。
敬老の日とは?意味・由来と2026年の日付
敬老の日とは、多年にわたり社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝うことを趣旨とした国民の祝日です。国民の祝日に関する法律(祝日法)で定められており、毎年9月の第3月曜日にあたります。
ハッピーマンデー制度(一部の祝日を月曜に移して三連休をつくるしくみ)によって月曜日に固定されているため、土日と合わせて三連休になるのが特徴です。孫や子どもが集まって祖父母を訪ね、食事やプレゼントでお祝いする日として広く定着しています。
敬老の日の由来
敬老の日のはじまりは、1947年(昭和22年)に兵庫県の野間谷村(現在の多可町)で開かれた敬老会だと伝えられています。「お年寄りを大切にし、その知恵を村づくりに活かそう」という趣旨で、農作業がひと段落し気候も穏やかな9月15日に「としよりの日」を提唱したのがきっかけです。
この取り組みは兵庫県全体へ、やがて全国へと広がっていきました。その後、1963年(昭和38年)の老人福祉法で9月15日が「老人の日」と定められ、1966年(昭和41年)には国民の祝日「敬老の日」として同じ9月15日に制定されました。地域の小さな敬老会が、全国的な祝日にまで育っていったわけです。
2026年・2027年の敬老の日はいつ?毎年変わる理由
敬老の日は9月の第3月曜日なので、日付は毎年変わります。直近の日付は以下のとおりです。
| 年 | 敬老の日 |
|---|---|
| 2025年 | 9月15日(月) |
| 2026年 | 9月21日(月) |
| 2027年 | 9月20日(月) |
敬老の日が毎年変わるのは、2003年(平成15年)から「9月第3月曜日」に移されたためです。きっかけは、2001年(平成13年)の祝日法改正で敬老の日にも適用された、ハッピーマンデー制度でした。
ハッピーマンデー制度とは、一部の祝日を特定の月曜日に移すことで土日と合わせた三連休を作り、余暇を過ごしやすくするしくみです。この制度によって、それまで9月15日で固定されていた敬老の日は、9月第3月曜日へと変わりました。
なるほど、昔は敬老の日も9月15日で固定だったんだね。その名残が「老人の日」なんだ。
老人の日とは?9月15日に残された記念日
老人の日とは、老人福祉法で定められた9月15日の記念日です。高齢者の福祉について国民の関心と理解を深めるとともに、高齢者自身が生活の向上に努める意欲を持てるようにする、という趣旨があります。敬老の日と違って国民の祝日ではないため、この日が休みになるわけではありません。
敬老の日が「高齢者に感謝し、長寿を祝う」個人的・家庭的な色合いが強いのに対して、老人の日は福祉や社会制度への関心を高めるという行政的な位置づけが中心です。同じ高齢者を思う日でも、視点が少し異なります。
老人週間(9月15日〜21日)とは
老人福祉法では、老人の日である9月15日から21日までの1週間を「老人週間」と定めています。この期間には、高齢者福祉への理解を深めてもらうため、全国の自治体や福祉団体でさまざまな行事や啓発活動が行われます。
敬老の日が老人週間のなかに含まれる形になる年も多く、地域の敬老会や高齢者向けのイベントは、この1週間に合わせて開催されるケースが目立ちます。
100歳に贈られる銀杯
老人の日にちなんだ制度として知られているのが、その年に100歳を迎える高齢者への記念品の贈呈です。百歳高齢者記念事業として1963年度(昭和38年度)から続いており、内閣総理大臣から祝状と記念品(銀杯)が贈られます。あわせて、都道府県知事や市区町村長からも祝状などが届けられます。
この銀杯は、かつては純銀製でした。しかし100歳を迎える高齢者が年々増え、費用がかさむようになったことから、2016年度(平成28年度)に純銀製から銀メッキ製へと変更されています。長寿の人が増えたという、うれしい背景ゆえの見直しといえます。
なぜ老人の日と敬老の日に分かれたのか
「老人の日」と「敬老の日」という似た2つが並んで存在するのは、法律の歴史が入り組んでいるからです。時系列で整理すると、意外とシンプルに理解できます。
- 1963年:老人福祉法で9月15日を「老人の日」と定める
- 1966年:祝日法の改正で、9月15日が国民の祝日「敬老の日」になる(老人の日は敬老の日へ統合)
- 2001年:ハッピーマンデー制度の導入で、2003年から敬老の日を9月第3月曜日に移すことが決まる
- 同2001年:9月15日を記念日として残すため、老人福祉法を改正し、あらためて9月15日を「老人の日」と定める
ポイントは、敬老の日が9月15日から第3月曜日へ移るタイミングで、空いた9月15日をそのままにせず「老人の日」として復活させたという点です。長く親しまれてきた9月15日という日付を大切にしたい、という思いが背景にあったといわれています。
その結果、9月には「9月15日の老人の日」と「9月第3月曜日の敬老の日」という、由来を同じくする2つの日が並ぶことになりました。名前も日付も似ているのは、もともと1つだったものが枝分かれしたためだと考えると納得しやすいでしょう。
敬老の日・老人の日は何歳からお祝いする?
敬老の日や老人の日に、「何歳から」という明確な決まりはありません。祝日法にも老人福祉法にも、お祝いの対象年齢を定めた条文はないのです。そのため、いつからお祝いするかは各家庭の考え方しだいになります。
ひとつの目安として、高齢者福祉の制度では65歳以上を高齢者として扱うことが多く、世界保健機関(WHO)の定義でも65歳以上を高齢者としています。この65歳を境に考える家庭は少なくありません。
とはいえ、実際には年齢そのものより「孫が生まれたら祖父母をお祝いする」といったライフイベントを区切りにする家庭も多くみられます。まだ現役で若々しい方に「敬老」と伝えると、かえって気を悪くさせてしまうこともあります。
年齢で線を引くより、「いつもありがとう」の気持ちを伝えるきっかけの日、と考えるのがちょうどいいかもしれませんね。
還暦(60歳)や古希(70歳)、喜寿(77歳)といった長寿祝いの節目と重ねてお祝いするのも、自然なタイミングです。大切なのは年齢の数字ではなく、日ごろの感謝を伝える気持ちだといえるでしょう。
老人の日と敬老の日に関するよくある質問
9月15日は敬老の日と老人の日のどちらですか?
現在の9月15日は「老人の日」です。2002年までは9月15日が敬老の日でしたが、2003年からは第3月曜日に移りました。空いた9月15日は老人福祉法上の記念日「老人の日」として残されています。
老人の日と敬老の日の違いは何ですか?
根拠となる法律と日付が違います。老人の日は老人福祉法で定められた9月15日の記念日で、祝日ではありません。敬老の日は祝日法で定められた9月第3月曜日の国民の祝日です。老人の日は福祉への関心を高めることが、敬老の日は高齢者を敬い長寿を祝うことが、それぞれ趣旨とされています。
2026年の敬老の日はいつですか?
2026年の敬老の日は9月21日(月)です。翌2027年は9月20日(月)にあたります。敬老の日は毎年9月の第3月曜日なので、年によって日付が変わります。
老人の日は祝日ですか?
老人の日は祝日ではありません。老人福祉法で定められた記念日という位置づけのため、9月15日が休みになるわけではないので注意しましょう。国民の祝日として休みになるのは、9月第3月曜日の敬老の日のほうです。
敬老の日は何歳からお祝いするのですか?
法律で定められた対象年齢はありません。高齢者福祉の制度では65歳以上を高齢者とすることが多く、これを目安にする家庭もあります。一方で、孫が生まれたタイミングなど、年齢にこだわらずお祝いを始めるケースも多くみられます。
老人の日と敬老の日の違いまとめ
老人の日と敬老の日の違いについて解説しました。最後に要点を整理します。
- 老人の日は老人福祉法の記念日(9月15日)、敬老の日は祝日法の国民の祝日(9月第3月曜日)
- 老人の日は祝日ではなく、休みになるのは敬老の日のほう
- もとは9月15日が敬老の日だったが、2003年から第3月曜日に移り、9月15日は老人の日として残った
- 2026年の敬老の日は9月21日(月)、2027年は9月20日(月)
- お祝いの対象年齢に決まりはなく、65歳や孫の誕生などを区切りにする家庭が多い
名前も日付も似ている2つですが、「もともと1つだった敬老の日が枝分かれし、9月15日に老人の日が残った」と押さえておけば、もう迷うことはありません。今年の敬老の日は、身近な高齢者に日ごろの感謝を伝えるきっかけにしてみてください。








